リクルートグループの「SE社員」って何?を解説します。

リクルートグループの組織再編が正式発表されました の記事でご案内したように、2021年4月1日付で、リクルートグループは大きなグループ再編を行う事が決まっています。
Hotpepperやじゃらんを提供する「㈱リクルートライフスタイル」、タウンワーク等の求人情報誌を扱う「㈱リクルートジョブズ」、リクルートエージェント、リクナビ等を扱う「㈱リクルートキャリア」、住宅領域でSUUMOスーモブランドを展開する「㈱リクルート住まいカンパニー」、ゼクシィ、スタディサプリ、カーセンサーを扱う「㈱リクルートマーケティングパートナーズ」、各事業会社の制作を担う「㈱リクルートコミュニケーションズ」、各事業会社のIT/テクノロジー部門を担う「㈱リクルートテクノロジーズ」の7社を㈱リクルートの1社に統合する。という大きな組織再編です。
2021年1月現在、4月の統合を見据えて各グループ会社のそれぞれがそれぞれの人事主導で積極的に中途採用を行っていますが、㈱リクルートキャリアを中心に新たにSE(specfic)社員という雇用形態がフォーカスされ始めています。
この記事では、「SE(Specfic)社員」とは何なのか?どういう背景で生まれ、何を目的とする雇用形態なのか?をお伝えしていきます。
リクルートグループの多様な雇用形態
「SE(Specfic)社員」について紹介する前に、リクルートグループ特有の多様な雇用形態について触れておきます。
2012年のホールディングス化で今回統合する各グループ会社が独立採算で経営してきた結果、各社で独自に中途採用を積極的に行い、各社で様々な雇用形態が独自に生まれ独自に運用されてきました。
例えば、
㈱リクルートキャリアのGE社員(正社員)、CV社員(3年限定契約社員)、EXP社員(長期雇用を前提とした契約社員)、㈱リクルートジョブズ、㈱リクルートマーケティングパートナーズの「地域限定営業職(正社員)」、㈱リクルート住まいカンパニーのCD社員(3年限定契約社員)等、ほぼ同じ趣旨の職種や雇用形態であっても、名称や待遇、条件等が各社バラバラ。そんな状況が続いていました。
各社がそれぞれの事業成長を模索する中で、それぞれの目的で採用環境に合わせた雇用形態を新たに創造してきた結果ですので、このこと自体はリクルートグループの現場主義、権限移譲の文化の現れといえると思います。ただ、1つの会社に統合していくには、当然ある程度の集約が必要となってきます。
統合後の大きな方向性として、営業職やキャリアコンサルタント等の顧客接点を担う職種を「SE(Specfic)職」という雇用形態に集約させていくという方針が打ち出されています。※リクルートライフスタイルの3年限定契約社員などは例外的に統合後も継続される予定です。
SE(Specfic)社員ってどんな社員なの?
ではここから、SE(Specfic)社員ってなに?という疑問にお答えしていきます。
SEは「Specfic Employee」の略です。Employeeは社員を意味します。「Specfic」は、直訳すると「特定の…」「明確な…」「限定的な…」といった意味を持つ単語です。
リクルートのSE社員は「地域と職種を限定した正社員」 と定義されています。
リクルートグループの中で、地域と職種を限定して顧客接点を担うポジション=SE職として統合後の㈱リクルートの顧客接点の主役を担う雇用形態として各グループの営業系職種が今後SE職に集約されていく事が決まっています。
「地域を限定」とありますが、転勤の可能性がゼロではありません。全国を下記10ブロックに分類して、ブロック内での転勤の可能性は残りますので注意が必要ですが、実態としては本人の意向や家庭事情などを無視した強制的異動はほとんどありません。
(1)北海道 | 北海道 |
(2)東北 | 青森/岩手/秋田/宮城/山形/福島 |
(3)北関東 | 茨城/栃木/群馬 |
(4)南関東 | 埼玉/千葉/東京/神奈川 |
(5)甲信越 | 新潟/長野/山梨 |
(6)北陸 | 石川/富山/福井 |
(7)東海 | 愛知/静岡/岐阜/三重 |
(8)関西 | 滋賀/奈良/和歌山/京都/大阪/兵庫 |
(9)中四国 | 鳥取/島根/岡山/広島/山口/香川/徳島/愛媛/高知 |
(10)九州 | 福岡/佐賀/長崎/大分/熊本/宮崎/鹿児島/沖縄 |
SE社員は今回新しくできた雇用形態なの?
SE社員という雇用形態は、今回の統合で新たに新設された雇用形態なのか?答えは実は「NO」です。
Hotpepper等を扱う㈱リクルートライフスタイルでは、これまでも「SE社員」という雇用形態はずっと運用されていました。㈱リクルートライフスタイルの営業職の中途採用はほぼ100%CV職といわれる3年限定の契約社員雇用でしたが、3年半の期間を満了した社員を対象に正社員登用を実施しており、正社員登用された社員は「SE社員」として地域と職種を限定した正社員として引き続きリクルートライフスタイルで働いていました。
ですので「SE社員」という制度そのものは今回新しく生まれたものではなく、これまでもリクルートライフスタイルでは契約社員から正社員登用された人材対象に既に運用されてきており、今後はこの「SE社員」を他のグループ会社でも積極的に運用し、顧客接点職を担う人材の雇用形態の中心に据えていく。という流れになります。
ちなみに、㈱リクルートマーケティングパートナーズや㈱リクルートジョブズでは、これまでも「地域限定営業正社員」という雇用形態を運用してきていますので、それがほぼそのまま「SE社員」という雇用名称に置き換わるイメージので大きな変化はありません。
これまでと雇用制度が大きく変化するのは「㈱リクルートキャリア」と「㈱リクルート住まいカンパニー」の2社です。
「㈱リクルートキャリア」と「㈱リクルート住まいカンパニー」ではこれまで、全国の顧客接点職(営業系職種)をGE社員といわれる全国転勤アリの総合職正社員とCV職・CD職・EXP職等の転勤無しの契約社員とに分けて採用を行ってきました。
これが統合後は全て「SE社員」に統合される事になります。「GE社員」は今後も残りますが、主に企画系や技術系、管理系職種、マネジメント層等の基幹業務を担う人材に限定して運用されるようです。
SE社員の待遇や給与は??
SE社員の求人広告の募集要項を見ると、SE社員の初年度想定年収は374~625万円とかなり幅広く設定されています。これまでのご経歴や任せる役割、前職年収に応じて決まりますが、これまでGE社員として採用を行っていたポジションとCV、CD、EXP等の契約社員で採用していたポジションをSE社員というひとつの雇用形態に集約する為、このような幅広い給与設定となったと思われます。
2021年1月23日現在、㈱リクルートキャリアが他グループ会社に先んじてSE社員の募集を積極的に開始しています。求人広告に記載されている募集要項を下記抜粋しておきます。年間休日145日!!待遇面、福利厚生面でみてもかなりのおススメ求人です。
《休日・休暇》
完全週休2日制
【有給休暇】15日~25日
【年間休日】145日 ※会社の指定休5日を含む
・慶弔休暇
・出産育児休暇
・看護休暇
・産前産後休暇
・ケア休暇
・介護休暇
・STEP休暇
・アニバーサリー休暇
《待遇・福利厚生》
【試用期間】6ヶ月※労働条件は本採用と同じです。
【保険制度】
・健康保険
・厚生年金
・雇用保険
・労災保険
介護保険
教育研修制度
インセンティブ制度
退職金一時金制度
リクルート社員持株会
団体生命保険
導入研修(通常の業務で必要とされる業務研修)
副業OK
まとめ
いかがでしたか?
この記事では2021年4月のリクルートグループ再編後に営業系中途採用の中心となる「SE社員」についてお伝えしました。リクルートグループの組織再編が正式発表されました の記事でもお伝えしたように、各社の今後の雇用や採用活動がどうなっていくのかはまだまだ不透明な部分も多く、まだまだ検討中の議案も多いようです。
2021年4月に一気に全てが切り替わるというよりは、「SE社員」という雇用形態に幅広さを持たせた状態で徐々に各社の営業系中途採用のバラツキを整えていく。というイメージを持っておくといいと思います。
リクルートのSE社員に興味がある。応募したい。自分が採用対象になりうるのか知りたい。等ご相談があればお気軽に当社にご相談ください。
