転職活動をスタートする際「まずはリクルートエージェントに登録」という人は多いです。しかし、ネット上を検索してみると様々な評判を目にします。
良い評判も沢山ある一方でネガティブな評判があるのも事実ですが、他の転職エージェントと比べてリクルートエージェントの対応が特別ひどいかというと、決してそうではありません。
ではなぜこのような評判が存在するのか?
この評判の真相は、ある誤解やミスマッチが起きていることに起因しています。
本記事では、元リクルート社員の私が「忖度なしで」リクルートエージェントがひどいと言われる原因やそのような評判がある真相について解説します。
リクルートエージェントがひどいと言われる理由と真相
ここではリクルートエージェントがひどいと言われている主な理由と真相、ひどいと感じた際の対処法を解説します。
1.キャリアアドバイザーの対応がひどい
リクルートエージェントがひどいと言われる理由でネット上で最も多いのが「キャリアアドバイザーの対応」についてです。
- 対応が冷たかった
- 高圧的、上から目線で対応された
- 紹介された求人への応募を急かされた
リクルートエージェントには非常に多くのキャリアアドバイザーが在籍していますが、大手だからといって全てのキャリアアドバイザーの対応が良いとは正直限りません。当社Pomto㈱に転職相談をお申込みいただく方の中には、リクルートエージェントの面接対策では正直不安で・・・という方も非常に多くいらっしゃいます。
なぜそのような事が起きるのか?を解説していきます。
「キャリアアドバイザーの対応がひどい」の真相
リクルートエージェントには非常に多くのキャリアアドバイザーが在籍していますが、転職活動をする個人の多くが登録するサービスの為、キャリアアドバイザー一人あたりが担当する人数は非常に多いです。業界や担当領域にもよりますが、一人のキャリアアドバイザーが30人以上の転職希望者を同時並行で担当しているケースも多いです。
転職を希望する個人からすれば「人生がかかった転職」をしっかりサポートしてほしいという想いがあって当然ですが、キャリアアドバイザーからすると30人をどう優先順位付けして対応するか?といった視点が求められますし、質問や問い合わせへの対応が遅くなってしまうことも当然のように発生します。
少しでもそれを解消するために様々なシステムや仕組みを導入し、転職希望者の満足度を担保するための取り組みが進んではいますが、システムや仕組みではなくキャリアアドバイザー個人にしっかり向き合ってほしいという要望に対してはどうしてもおろそかになってしまう部分があるのは実態です。
そもそもリクルートエージェントは転職エージェント業界最大手であり、保有する求人数は圧倒的な数を誇ります。リクルートエージェントのような大手エージェントは「選択肢として提示できる求人数」に強みを有しており、個人個人へ深く寄り添ったサポートを提供する事にはそこまで注力していません。そこを知らずに過度なサポートを求めてしまうと「対応がひどい」という感想となってしまうのかもしれません。
キャリアアドバイザーの対応がひどいと感じたときの対処法
意外と知られていませんが、ある程度の規模の転職エージェントではキャリアアドバイザーの変更が可能です。
会社としても、対応の質が低いキャリアアドバイザーをそのままにしておくことで悪い評判が広がることは望んではいません。各サービスで専用の相談窓口が設けられていることが多いので、然るべき窓口に担当の変更を依頼しましょう。
2.的外れな求人を紹介される
期待している内容と乖離した求人を紹介されるという声も多く聞かれます。
しかし、リクルートエージェントは扱っている求人数は圧倒的に多いため、他のエージェントに比べても良い求人を紹介してもらえる可能性が高いです。
このような背景があるにもかかわらず的はずれな求人を紹介されるとなると、これには2つの理由が考えられます。
希望条件が正確に伝わっていない
単純にあなたの希望とキャリアアドバイザーの認識がズレている可能性があります。もちろんキャリアアドバイザーも適当に求人を選んでいるわけではなく、ヒアリングした情報を基に少しでも希望に合ったものを選ぶようにしています。
このような場合は提案された求人情報のどこがマッチしていないのか、どうなれば希望条件と合致するのかを伝え、お互いの認識を擦り合わせていきましょう。
スペックが足りていない
求人数が多いからといって、どんな人にも多くの求人を紹介できるというわけではありません。
転職希望者側に「希望する条件」があるように、求人を出している企業側にも「採用する条件」があります。希望に沿う求人が提案されない多くの場合で、希望する求人が求める最低限の経験を有していない事がほとんどです。
例えば「事務職希望」と伝えているのに、営業職やサービス業、技術職の求人しか提案されない場合がありますが、これはほとんどの事務職求人が「事務職としての実務経験〇年以上」のような応募条件を設定しているためです。自分の経験が足りていないことが原因にもかかわらず、「希望求人が提案されない!リクルートエージェントひどい!」と結論付けるのは正直どうしようもありません。
プロ目線であなたの適性と可能性を考慮している
一見「的外れ」と感じる求人も、あなたに見えていない中長期的な可能性を考慮して新たな活躍の場を提案してくれている可能性があります。
たとえば飲食店の店長職を経験してきて一般事務職への転職を希望しているにもかかわらず、コールセンターのスーパーバイザーの求人を紹介されると違和感を覚えるかもしれません。
これには店長職で身に付く「スタッフ管理」や「シフト管理」といった職能スキルが、スーパーバイザーという職業に応用できるという別の側面があるからです。またスーパーバイザーとして経験を積むことで、事務系スキルの向上にも繋がり長期的には希望する職種へのステップも広がることになります。
紹介された求人に疑問を持ったら、なぜその求人を紹介してくれたのかをキャリアアドバイザーに質問してみましょう。
「リクルートエージェントひどい」と言われる本質的背景
ここまでの解説にくわえて、リクルートエージェントがひどいと言われる本質的な背景を解説します。
圧倒的に利用者が多い
リクルートエージェントのネガティブな評判が目立つのは、圧倒的な利用者の多さも1つの要因です。利用者が多ければ声を上げる人も相対的に多くなるからです。
調べてみるとわかりますが、他のエージェントでも同じような評判は必ずと言って良いほどあり、逆に利用者が少ないサービスほど評判を見つけること自体難しくなります。
転職希望者の期待値とのミスマッチ
大手というだけで「大手なんだからこのくらいはやってくれて当然」という根拠が曖昧な期待値が高くなる傾向があります。このような誤解から、そもそもサービス内容に含まれていないことまで期待してしまっているケースもあります。
転職エージェントと呼ばれるサービスは無数にありますが、それぞれ特徴や得意分野、力を入れている部分が異なり、リクルートエージェントも例外ではありません。
リクルートエージェントの特徴
それでは改めて、リクルートエージェントの特徴を見ていきましょう。
求人数が圧倒的に多い
求人数の多さは業界トップクラスで、公開・非公開求人合わせて20万件をゆうに超えます。
もちろん転職希望者の経験やスキルによって紹介できる求人は絞られますが、この選択肢の多さは他のエージェントではなかなか真似できない明確な強みです。
裏を返せば「リクルートエージェントが一番多様な求人を紹介してくれる可能性が高い」とも言えます。
持っている情報量が多い
転職エージェントは企業と転職希望者の間を取り持っているため、普通では決して表に出てこない様々な情報を持っています。
- 紹介企業の選考基準
- 好まれる人物像
- 合否の理由(知らされない場合もある)
- ○次面接の面接官は誰か
- どのような質問をされたか
- どのように答えて、どのような結果になったか
転職エージェントはこれらの情報をもとに転職希望者の選考通過をバックアップしますが、当然ながら紹介した事例が多いほどこのような情報は蓄積されていきます。
リクルートエージェントは求人数と仲介実績が非常に多いため、幅広い企業について事例に基づいた選考サポートをしてくれます。(ただし、情報量はあくまでも紹介実績に比例するので、紹介数が少ない企業や取引が始まったばかりの企業は情報が少なく、この限りではありません)
サポートシステムが充実している
直接的な選考サポートのほか、面接セミナーや独自のマイページ、専用アプリなど様々なサポートシステムが用意されています。
大勢の転職希望者を相手をするために効率化しているという面もありますが、キャリアアドバイザーとのやり取りや企業への応募をスマホひとつで完結することも可能です。
根本的なサポートの質はキャリアアドバイザーの手腕によるところが大きいですが、在職中の忙しいなかで転職活動をする人たちにとっては非常に有り難いシステムです。
ただし、個別のサポートはそこまで手厚くない
一方、個別のサポートの手厚さという点では過度な期待は禁物です。
リクルートエージェントは圧倒的な求人数に加えて、転職希望者のほとんどが登録しているようなサービスでもあるため、常に大量の求人と大量の登録者を相手にしています。また、多くの選択肢を提供することに重きを置き、それをサービスの強みとしていています。
このため、一人ひとりへのサポートはどうしても行き届かない部分があることを理解したうえで利用すべきです。
転職エージェントの賢い選び方・使い方
転職エージェントは転職活動における強力なサポーターではあるものの、決して万能ではありません。このような性質を理解したうえで、自分が求めているものに合わせて使い分けるのが賢い使い方です。
前提:複数の転職エージェントを併用する
繰り返しになりますが、転職エージェントと一口に言っても会社ごとにカラーが異なり、同時にそれが他社との差別化にもなっています。
また、転職エージェントの求人は各企業との取引あってのものなので、それぞれ保有している求人が異なります。つまり「株式会社○○は△△エージェントにしか求人を依頼していない」というケースも珍しくないということです。
このような理由から、転職エージェントは1つに絞らず複数社を併用するのがおすすめです。そうすることで希望に合った求人を紹介してもらえる可能性が高まり、それぞれの強みの恩恵を受けつつ、弱みを補完することができるのです。
多くの選択肢を求める場合
- 複数の同業他社に応募して内定の確率を上げたい
- 自分に見えていない異業種の可能性も提案してほしい
- 少しでも応募企業の選択肢を増やしたい
このような点を重視して転職活動をしたい場合は、リクルートエージェントは絶対に選択肢に入れておくべきです。
また、規模の大きな転職エージェントは互いに近い傾向があるので、リクルートエージェント以外の大手エージェントも併用しましょう。
手厚いサポートを求める場合
- 転職活動が長引いても最後までサポートしてほしい
- 親身になって相談に乗ってほしい
- 面接対策や書類の添削を丁寧にしっかりやってほしい
このような場合は、中小規模の転職エージェントを選びましょう。
大手に比べて求人数こそ少ないものの、一人ひとりに対して丁寧なサポートをしてくれる傾向が強いからです。
入社したい業界や企業が明確な場合
この場合も中小の転職エージェントがおすすめです。
中小の転職エージェントは「○○業界に特化」「○○職に特化」という独自性を強みとしている場合が多く、特定の企業とのパイプが太い傾向があります。
キャリアアドバイザーとその企業の人事担当者の信頼関係がしっかり構築されているケースも珍しくなく、待遇面の交渉なども有利に進めてくれる可能性があります。
リクルートグループへの転職に特化したエージェント
私たちPomto(㈱)は、リクルートグループへの転職に特化した転職エージェントです。
リクルート在籍時に3,000名以上と面接をしてきた「元リクルートのキャリアアドバイザー」が面接対策をしっかりとサポートし、これまでに500名以上のリクルートへの転職成功を支援してきました。また、在籍時から続くリクルート人事との太いパイプを活かした交渉も得意としています。
リクルートグループに転職希望の方、応募するかを検討するために情報収集をしたい方は是非、お問い合わせください。