「向いていない」は他責思考の始まり

日々第二新卒の方のキャリア面談を実施していると「向いていないので・・・」という表現を使う方がいらっしゃいます。

自分には営業の仕事は向いてない、、、
接客の仕事は自分には向いていない、、、
コツコツと決まったことをやる事務の仕事が自分には向いている、、、
人と接する仕事が自分には向いている、、、
etc,,,

この「自分には向いていない」「自分に向いている」という表現を使う方の多くが、無意識のうちに「他責思考」に陥っているという事を自覚されたほうがいいと思います。

人間「向き」「不向き」は当然あります。しかし、この「自分には向いていない」「自分に向いている」という表現は「自分自身の生まれ持った性格や性質だから仕方ない。」というニュアンスが含まれます。

本来は「やりたいorやりたくない」あるいは「得意or不得意」「できるorできない」という自分の考えや自分の能力として表現すべき内容を、「向いていない」という自分の責任ではないという趣旨の表現で説明しているからです。

もう少し事例を交えて具体的に説明します。

「自分はプロ野球選手には向いてないから、プロ野球選手にはならない。」

この言葉を聞いてどう思いますか??

この言葉を堂々と言っていいのは、野球がめちゃめちゃ上手くて、努力も重ねて、プロからドラフト指名がかかったけど、プロの厳しい環境についていける自信がない等の理由でお断りする場合のみです。

ドラフトにもかからない選手がこの言葉を使えば、向いてないのではなくて実力が足りないだけでしょと周囲は感じます。更に野球すらやった事がない人間が「自分はプロ野球に向いてない」と発言すれば、「いやいや!向いてる向いてない以前になれないよ!」と突っ込まざるを得ません。

つまり、
第二新卒や20代の経験の浅い人材にとって「自分には向いてない」というのは、「やりたくない」「努力不足」「実力不足」のいずれかです。その現実から目を背けて「向いてない」という表現を使ってしまう時点で、面接官する側は「他責思考」が強いと判断します。

逆に、「○○な仕事が向いている」という表現は、本来「〇〇な仕事がやりたい」という自分の意志や考えにもかかわらず「向いている」という自分に意思とは関係のない事として表現している事になります。自分の意志や考えとして伝えるのが恥ずかしい、自信がないときにこの湾曲的な表現を使う事で自分の責任を回避するわけです。

営業は向いてない。は、辛そうなことをやりたくないだけ。
「向いてない」という言葉を使うのは、やってみてやり切ってみて周りが判断する事。

向いてない。ではなく、やりたくない。できない。
向いている。ではなく、やってみたい。できるようになりたい。

まずは言葉遣いから変えてみる事をおススメします。

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この記事を書いた人

10年間のリクルート在籍中に約3000名の方の面接を担当。
リクルートの面接の特徴や求める人物像を熟知し面接対策を実施しています。
リクルート各領域の人事との太いパイプを活かした様々な交渉も行います。

☆キャリアコンサルタント国家資格保有
☆GCDF-JAPAN公認キャリアコンサルタント

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